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アメリカで働くために必要なVISAの概要

アメリカで働こうと考えて、まず最初に立ちはだかる難関、VISA。 今日はそのVISAについて調べた範囲のことを書きます。 断っておきますが、他の方から伺った話や自分で調べた情報を元にまとめてあり、筆者は未だVISAを取得できていないので、憶測が含まれており、誤った情報がある可能性もあります。 また、VISAの情報も変更されるので、情報が古くなっている可能性があります。

まず、一言でVISAと言っても、その種類は非常に多くあります。 起業したい方はE2 VISA、資金があり、時間をかけても良い方はF1 VISAからH1B VISA、学生になるお金(や時間)がない方などはL1やH1B VISA、運が良ければE2がVISA取得の候補となるでしょう。 Green CardやOビザなど、世界的に非常に有名な実績を持っている方や非常に運の良い方が取得できるVISAもありますが、あまり一般的な方法ではありません。

各VISAの詳細は次の通りです。

H1B VISA (就労VISA)

就労VISAについては色々特徴がありますが、主に次のような特徴があり、取得が非常に困難なことで有名です。

  1. 専門職に対するVISAです。 そのため、修士号を取得しており、その修士号と実際の業務が一致している、あるいはエンジニアや研究職などの専門的知識を有している方が有利です。
  2. 企業(日本企業、アメリカ企業など、国籍は問わないはずです)に雇用されることが新規申請の条件です。 しかし、アメリカ勤務で働こうとする場合、VISAがないと面接にすら進めず、そもそも雇用されることが難しいです。
  3. 企業からVISAが新規申請された後、アメリカ政府が審査し、抽選を行います。 しかし、承認数が年間上限決まっており、2016年ではアメリカで修士号以上を取得した方を対象に20,000人、一般枠に65,000人となっております(1)。 ただし、修士号取得者は20,000人の枠から抽選されなくても、65,000人の枠でもう一度抽選されるようです。 なお、2016年の応募者数の総数は236,000人なので、条件が全員平等だと27%程度の確率しかありません。 インターネットを検索すると落ちたという話を見かけますし、実際審査に落ちたという方ともお会いしたことがあるので、楽観視しない方が懸命だと思っております。
  4. アメリカ政府がH1B VISAの申請を受け付けるのは4月上旬(2016年は4月1日)ですが、1週間程度で受付は終了し、抽選で無事当選した方はその年の10月から働くことが可能なVISAが取得できます(2)。 しかし、この4月申請、10月交付という仕組みが、変化の激しいアメリカの職場で採用されるのをより一層難しくしているようです。
  5. H1Bの期間は期限が3年ですが、延長が可能です(3)。 また、転職するにはH1Bをトランスファーしなければなりませんが、これは上記の申請には入りません(4)。

こういった競争の激しさと採用してから取得するまでの差の大きさから、企業はあまりH1B VISAを出さないようです。 コストをかけて採用して、H1B VISAを申請しても審査で落選する可能性があり、また、専門的技能を持った人材を採用して、VISAを取得できても、実際に働くまでの間にその人材が必要ではなくなるリスクがあるからです。 なお、トランプ政権はVISAの抽選を高給与順に変更するらしく、シリコンバレーなどの高給与の職場ですでに働いている外国人に比べると、日本人にとってはまた一つ難しくする要因となる可能性があります。

L1 VISA(駐在員VISA)

特徴は次の通りです。 H1B VISAよりは難易度が高くなさそうです。

  1. アメリカ外の企業(日系企業外資系企業)に勤めている方が、会社の都合で社員をアメリカに滞在させることができるVISAです。 該当の企業に最低1年以上勤めることが必要です。
  2. 管理職・マネージャーの方か、専門知識を持った方が対象になります(5)。 管理職・マネージャの方の場合、最初3年、その後2回2年の延期が可能で、最大7年の滞在が可能です。 専門知識を持った方は最初3年、その後2年の延期が可能で、最大5年の滞在が可能です。
  3. 年間の発行数に制限はありません。
  4. 発行の申請にどれくらいの時間がかかるかは分かりませんでした。

J1 VISA(交流訪問VISA)

交流訪問者向けのVISAです。 交換留学などの短期留学や、インターンシップ、Traineeを受ける方を対象にしたVISAで難易度は高くないです。

  1. 12〜18ヶ月の交換留学、インターンシップ、Traineeを受ける方向けの短期VISAです。
  2. 他のVISAに比べると、比較的取りやすいです。
  3. J1 VISA期間終了後、2年以上アメリカ国外で生活しない限りH VISAやL VISAを取得できない、といった条件があるVISAもあります(6)。 ただし、waiverを申請すればこの2年ルールを免除することができます。 Waiverの申請には条件があり、例えば指定された州(地方です)で医療に従事する、などがあります(7)。

E2 VISA(起業家VISA)

アメリカで起業したい方や、その方と一緒に立ち上げる方向けに発行されるVISAです。 次の特徴があります。

  1. E2 VISAの取得には大体2,000万円が必要です。
  2. 日本人の資本保有率が50%を超え続けていないといけません。 その為、外国人投資家からの投資を受ける際に制限を受ける可能性があります(8)。
  3. 起業する方だけでなく、起業した方と一緒に会社の創立に関わる方にもVISAが出ます。 ただし、アメリカ人の雇用者数に応じて、E2 VISAを取得できる日本人の数は左右されます。

B1 VISA(商用VISA)

B1 VISAについては詳しくありませんが、3ヶ月を超えて滞在する必要がある場合に利用できるVISAです。

  1. 半年ほど滞在しなければならない理由が必要です。
  2. 就業には利用できないようです(9)。

F1 VISA(学生VISA)

  1. 学位の取得や語学学校、コミュニティカレッジへの留学に対して取得できるVISAです。
  2. 就業VISAほど取得が難しくありません。
  3. 原則就業することはできないですが、就業して1年後にキャンパス外で学校の単位目的に受けられるCPT(10)と、学校のプログラム修了後に最大1年間フルタイムで働くことができるOPT(11)といったプログラムもあります。
  4. アメリカでMasterの学位を取得すれば、H1BのVISA申請で有利になります。

O VISA

ある分野において、世界的に非常に優秀な実績を持つ方に出るVISAです。 世界的に非常に卓越した実績を持っている方は、このVISAもアメリカで就労するための候補となります(12)。

  1. 最初の滞在期間は長くて3年です。しかし、滞在の必要があれば都度1年延長が可能です。

Green Card (永住権)

アメリカへの出入りが自由で、職業の選択も自由で、かつ滞在にも制限がない永住権です(13)。 VISAを持たない方にとっては、1年に1回程度行われる抽選制度で当選するのが一般的な方法になります。 この抽選には1%程度の確率で当選するらしいので、将来アメリカに住みたいと考えている方は申請すると良いと思います。

Reference

  1. H1Bビザ 2017、今年もハンパないな~という話 - Maya's Diary in San Diego
  2. 2017年度新規H-1B受付けが4月1日より開始 | アメリカビザ申請・移民法のブログ
  3. 米国最新就労ビザ情報:解析!米国の就労ビザ
  4. 移民法Q&A|H-1Bビザの雇用主変更について | QOLA クオラ
  5. L-1ビザ (駐在員ビザ)
  6. J-1ビザと2年間の海外生活条件
  7. Waiver of the Exchange Visitor Two-Year Home-Country Physical Presence Requirement
  8. シリコンバレーで起業した日本人が語るスタートアップガイド3――米国ビザ取得にまつわるエトセトラ | TechCrunch Japan
  9. B-1、B-2ビザについて:商用または観光のための訪問者
  10. アメリカ学生ビザ(F-1ビザ)|CPTについて
  11. アメリカ学生ビザ(F-1ビザ)|OPTについて
  12. O-1ビザ
  13. 5つのアメリカ永住権取得方法 l アメリカビザ・永住権取得支援サイトl 弁護士法人イデア・パートナーズ法律事務所